増加する振り込め詐欺被害

 『もしもし?俺だよ俺・・・』今こんな電話がかかってきたら皆さんまず振り込め詐欺を疑いますよね? 別名オレオレ詐欺なんて言いますが、最近ではテレビで特集が組まれたり、警察がATMを巡回したりと、 色々な対策がされています。しかし、そんな努力とは裏腹に、この振り込め詐欺、被害は年々増加して いるんだそうです。去年の振り込め詐欺の被害総額はなんと276億円!!1人当たり140万円だそうです。 単純に考えても、約2万人の方が被害に遭っている計算になります。 本当にたくさんの方が被害に遭っていることがわかりますね。

 振り込め詐欺の手口・対策はテレビでも頻繁に取り上げられ、誰もがわかっているはずなのに、何故これほど被害に遭う方が多いのでしょうか? 被害に遭った方々に共通することは、『冷静に考えれば、本人と声が違った』と言うことだそうです。 もし、本人とは全く別人の声の電話がかかってきたら、まず怪しみますよね? それが、その時は全く気にならなかったと言う人が多いんですって。 なんでも、その時の状況によって、脳のある部分が理性の働くのを妨げて、冷静な判断が出来なくなってしまうとのこと。 一体どういうことなんでしょうか・・・

振り込め詐欺にだまされる脳内メカニズム

 まず電話がかかってきた場合、脳の中では、相手の『声』『しゃべり方』『話の内容』などによって相手が誰かを 確認しているそうです。この確認をする役割を担うのが理性だそうです。しかし、ある脳の機能によって、この理性が 働かなくなってしまうとのこと。それが"経験則"というものだそうです。 経験則とは言い換えれば、思いこみ。つまり、過去に経験しているので今回もそうに違いない、という心理なんだそうです。 例えば、レストランで、醤油だと思ってかけたら実はソースだった!!なんて経験したことありませんか? あれは過去の経験で、小さい方の瓶には醤油が入っているはずだ、と思い込んでいるため起きてしまうんだそうです。 最近はこの経験則を手玉にとって、巧みにだましてくる振り込め詐欺が増えているんだそうです。

 手口としては、携帯が壊れたから買い換えた。とか、番号が変わったので登録宜しく。といったような電話がかかってくるそうです。 知らない番号からかかってきて最初は怪しんでも、"携帯が変わった"という情報で、それなら知らい番号のはずだ、と思って信用しまうそうです。 一度本人として登録してしまったら、次にかかってきた時は、画面に名前も番号も出ますから、本人に間違いないと思い込んでしまうわけです。 当然本人だと思って電話に出ますから、偽物だとは気付きにくいですよね? このような手口をアポ電というそうですが、現在の振り込め詐欺の約半分は、このアポ電がきっかけなんだそうです。

 さらには脳のある機能も理性を働かなくする追い打ちをかけるとのこと。 例えば、先ほどの息子の番号から電話がかかってきたとします。アポ電効果で本人だと思い込んでしまっていますから 疑いなく出ますよね?そこで、お金が足りないから助けてくれ、と言われたとします。 そうすると、脳の中には、『いつもとは息子の様子が違う!!』といった、不安をあおったり、無意識に『息子が危険だ!!』と感じるような情報が・・・ すると、自分の意志とは関係なく、体が危機的状況から脱出できるように理性を抑制する、扁桃体という部分が反応してしまうんだそです。 これは、自分は今危機的状況だから理性でじっくり考えている場合ではなく、まず体を動かそう、という脳の機能なんだそうです。 そうなってしまうと、この苦しい状況から逃れるためには一刻も早くお金を振り込まなければ、 と脳が一種のパニックに陥ってしまうんだそうです。よく言う頭の中が真っ白になったって状態ですね。 こうなってしまうと、たとえ誰かが止めようとしても、理性が全く働かなくなっているため止められないんだそうです。

振り込め詐欺の対処法

 上のような状態になってしまっては、犯人の思うつぼですね。なんとかそうならないようにする対処法はないのでしょうか? ためしてガッテンでは、専門の先生が対策を教えてくれていました。 先生曰く、理性が働かないことを前提とした対策をすることが必要とのことですよ。
@日頃から、家族内でコミュニケーションを深め、理性が働かなくても、本人かどうかを聞き分けられるようにすること。
    何年も会っていない離れて暮らす家族と、毎日コミュニケーションを取っている家族とでは、やはり毎日会話している家族
    の方が、もしもの時には気付きやすいですよね?たとえ離れて暮らしていても、日頃から頻繁に電話していれば、ずいぶ
    ん対策になるのではないかと思います。
A日頃からイメージ訓練をして、もしもの時の対策を十分に行っておく。
    小中学校では定期的に避難訓練を行って、いざというときにパニックを起こさず、スムーズに逃げられるよう指導していま
    すよね?詐欺も同じように訓練することで引っかかりにくくすることが出来るそうですよ。
Bたとえだまされたとしても、我に返るキーワードを用意しておく。
    もし理性が効かなくなってしまっても、最後にお金を振り込む時に我に返るようなキーワードを考えておくのが効果的なよう
    です。自分のキャッシュカードに『理性働いてますか?』という一言を書いておくだけでも、その時カードを見て、ハッと我に
    返るきっかけになるとのことですよ。

 常にかかってきた電話を怪しんでいるのは、あまり気持ちの良いことでは無いかもしれませんが、自分なり工夫をして、このような危機にも 落ち着いて対処できるようにしたいですね。